出生コーホートを用いた日本全国の位置情報と所得属性付き仮想個票の合成

原田拓弥, 村田忠彦
サイバーメディア HPCジャーナル, No.10, pp.45-48, 2021-01

Abstract

本研究は、日本全国を対象に、位置情報および所得属性を付与した仮想個票(世帯・個人マイクロデータ)を、公開統計のみから第三者提供可能な形で合成する手法を提案する。従来のシミュレーテッドアニーリング(SA)に基づく合成では、特定年度の「親の年齢別出生数」等から作られる親子年齢差統計に、すべての親子関係を一律に適合させるため、親の出生年ごとの出生行動(出産年齢のシフト等)を十分に反映できない課題があった。そこで出生コーホート(親の生年別×出産時年齢別×出生数)を制約条件として導入し、親の出生年ごとの出生傾向を反映した親子年齢構造の合成を行う。出生コーホートは全国集計のみであるため、都道府県等へ過度に調整せず全国を一括で合成し、国勢調査から推定した生年別の父母人数に整合するよう出生コーホートを補正した上で、夫婦年齢差や家族類型別分布、男女別人口分布など複数統計との誤差を最小化する。2015年国勢調査規模(約5,096万世帯・約1.156億人)での実験では、探索回数の増加により誤差は低減する一方、出生コーホート補正の不十分さにより改善が頭打ちになる点も示され、補正方法の高度化が今後の課題として整理された。

BibTeX

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  title = {出生コーホートを用いた日本全国の位置情報と所得属性付き仮想個票の合成},
  author = {原田拓弥 and 村田忠彦},
  journal = {サイバーメディア HPCジャーナル},
  number = {10},
  pages = {45-48},
  year = {2021},
  month = {01},
  publisher = {大阪大学サイバーメディアセンター},
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