日本全国の位置情報付き仮想の個票合成手法の精緻化
原田拓弥, 村田忠彦
サイバーメディア HPCジャーナル, No.9, pp.53-56, 2020-01
Abstract
災害対策や経済対策などの政策評価において、個々の市民レベルの影響を分析するために、Agent-Based Simulation(ABS)を用いたリアルスケール社会シミュレーションの重要性が高まっている。しかし、戸籍・納税等の行政個票はプライバシー上利用が困難であり、公開統計から仮想的な個票(合成人口・合成世帯)を構築することが求められる。本研究は、日本全国(約1900市区町村)を対象に、位置情報や世帯構成、年齢・性別・就業等の多属性をもつ仮想個票を、個票サンプルに依存しないSimulated Annealing(SA)で合成する手法を精緻化した。従来の市区町村ごとの独立合成では、人口20万人未満自治体で公開統計が粗い(5歳階級等)ため推計や縮小が必要となり、統合時に都道府県統計との乖離が生じ得た。提案手法では、都道府県内の市区町村を一括で合成し、統計表の調査範囲と市区町村属性を対応付けることで推計・過度な縮小を回避する。さらに、5歳階級の制約による偏りを抑えるために全体の1歳階級分布を追加し、探索時の個体交換ルールも自治体規模に応じて改良した。2010年・2015年の全国規模実験により、都道府県統計との誤差を大幅に削減し、より整合的な全国・自治体属性付き仮想個票データの提供基盤を示した。
BibTeX
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title = {日本全国の位置情報付き仮想の個票合成手法の精緻化},
author = {原田拓弥 and 村田忠彦},
journal = {サイバーメディア HPCジャーナル},
number = {9},
pages = {53-56},
year = {2020},
month = {01},
publisher = {大阪大学サイバーメディアセンター},
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