原田の論文「社会シミュレーションのための異種並列計算環境における再現性の確保」がシステム制御情報学会論文誌で出版されました.
Published in システム制御情報学会論文誌, 2018
Recommended citation: 原田 拓弥, 村田 忠彦: 社会シミュレーションのための異種並列計算環境における再現性の確保, システム制御情報学会論文誌, Vol. 31, No. 2, pp. 37-48 (2018)
原田の論文「社会シミュレーションのための異種並列計算環境における再現性の確保」がシステム制御情報学会論文誌で出版されました.
本論文では乱数を使用した社会シミュレーションのために異なる計算環境において同一のシミュレーション結果が得られる枠組みを提案する.社会シミュレーションでは,シミュレーション結果の平均的状態を観察するとともに,特異な試行を抽出し分析するために,様々なパラメータの変更が行われる.特異な試行を探すために,大規模化や複数回シミュレーションがされている.そのため,高速化が必要である.しかし,高速化効果が大きい技法の一つである並列化を行うと,並列数により使用される乱数列が異なるため,シミュレーション結果が変化する.特異な現象を再現し,詳細の分析をするためには,シミュレーションの再現性を確保しなければならない.本論文では,社会シミュレーションのモデルのなかでも,ノードをまたいでt-1期以前の状態を共有でき,エージェントがt-1期以前の情報をもとに独立してt期の意思決定が可能なモデルで,CPU 及びGPU の複数の計算機環境を用いた場合においても同一の実験結果を得るための枠組みを提案する.実験の結果,本論文が実験を行った全ての計算機環境において同一の結果を得た.